No.114 (19世紀のヨーロッパ文化A) :
「写実主義・自然主義の芸術家は時代とどう関わったか?」
自然主義作家である仏のゾラは,ドレフュス事件で「私は弾劾する」の論陣を
張り,政府・軍部を批判した。また,写実主義画家では仏の社会主義者クール
ベが史上初の社会主義政権であるパリ=コミューン(1871年)に参加し,投獄
されてスイスに亡命している。彼の代表作「石割り」は,働く労働者を描いて
いる。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
反ユダヤ主義や対独復讐心を背景とする冤罪を弾劾した自然主義作家ゾラや,
パリ=コミューンに参加した写実主義画家クールベについて,大きな関心を持
ちながら学習に臨んでいる。
思考・判断:
19世紀後半の市民社会の成熟を背景に,合理主義や客観的態度が復活し,社会
問題を題材とした文学・絵画を特徴とする自然主義文学や写実主義絵画が盛行
したことについて,的確に判断している。
資料活用の技能・表現:
写実主義画家クールベの代表作「石割り」を鑑賞することにより,名も無き労
働者の生活を題材に選んだ,画家の強い問題意識を実感している。
知識・理解:
ドレフュス事件でユダヤ系士官ドレフュスを弁護した自然主義作家のゾラと,
史上初の社会主義政権パリ=コミューンに参加した写実主義画家クールベらに
ついて,基本的な知識を身につけている。